茶葉と水の材質の基礎知識
紅茶の風味は、茶葉の質だけでなく「水」によっても大きく左右されます。紅茶教室第二回では、美味しい紅茶を淹れるための水の選び方と、紅茶の茶葉の基本(OP・BOP・CTCといった等級の違い)を比較表やFAQも交えて解説します!
紅茶を美味しく淹れるための水
紅茶を淹れる際、使用する水の種類によって風味が変わります。特に軟水と硬水の違いは紅茶の味に大きく影響します。日本の水道水は主に軟水のため紅茶淹れに適していますが、硬水は紅茶の渋みを強めてしまうことがあります。
浄水器を使った軟水や、一度沸騰させてカルキ(塩素)を飛ばしたお湯を使うと、紅茶本来の香りが引き立ちます。逆に硬水(ミネラル分の多い水)は茶葉の成分が抽出されにくく、渋みや苦みが出やすくなる傾向があります。以下に軟水と硬水の特徴をまとめました。
水の種類 | 特徴と紅茶への影響 |
---|---|
軟水 | ミネラル分が少ない水。紅茶の風味を素直に引き出し、渋みが少なくまろやかな風味に。 |
硬水 | ミネラル分が多い水。紅茶の抽出が妨げられ、渋みが強まったり風味が平板に。 |
このように、水は軟水を選ぶのが紅茶を美味しく淹れるコツです。
美味しい紅茶を淹れるには水質も重要ですが、茶葉の抽出方法にもコツがあります。抽出の基本については前回の『プロ直伝!紅茶の美味しい淹れ方・基本の抽出ポイントまとめ』で詳しく説明していますので、そちらもぜひチェックしてみてください。
紅茶の茶葉の基礎知識(P・BOP・CTC)
紅茶の茶葉には、摘み取った後の加工方法や形状によって様々な種類と等級があります。特に耳にする機会の多いOP・BOP・CTCという用語は、茶葉の形状や製法の違いを表しています。それぞれの特徴や風味の違い、適切な抽出時間について見ていきましょう。
OP(オレンジペコ)とは
OPとはOrange Pekoe(オレンジペコ)の略で、紅茶の等級の一つです。名前に「オレンジ」とありますが、オレンジの風味があるわけではなく、古来より使われている等級名です。主に大きなホールリーフ(茶葉を丸ごと使用した形状)を指し、高品質な茶葉に用いられます。
OPグレードの茶葉は大きいため、抽出にやや時間がかかりますが、その分渋みが出にくく繊細で豊かな香りを楽しめます。ストレートティーで飲むと茶葉本来の風味を堪能できるでしょう。抽出時間の目安は約3分とされています。
BOP(ブロークン・オレンジ・ペコ)とは
BOP(Broken Orange Pekoe)は、OPよりも茶葉が細かい等級です。茶葉が細かいことで表面積が増え、短い時間で濃い紅茶が抽出できます。BOPはティーバッグやブレンドティーにもよく使われる等級です。
BOPの紅茶はコクがありしっかりとした味わいが特徴で、渋みも適度に感じられます。抽出時間の目安は約2~3分程度と、OPに比べて短めです。ミルクティーにしても風味が負けにくいため、汎用性の高い茶葉と言えます。
CTC製法とは
CTCは紅茶の製法の一種で、Crush, Tear, Curl(押しつぶす・引き裂く・丸める)の略称です。CTC製法で作られた茶葉は、粒状の丸い形をしており、ティーバッグ用の紅茶やミルクティー向けの茶葉に広く用いられています。
CTC紅茶は茶葉が細かく加工されているため、1~2分という短時間で濃厚な抽出液が得られるのが特徴です。味わいは力強く渋みも出やすいので、ミルクや砂糖を加えて飲むのに適しています。短時間でしっかり抽出できる反面、抽出しすぎると渋くなりやすいので時間管理が大切です。
下の表に3つのグレードの違いをまとめました。
茶葉のグレード | 形状 | 風味の特徴 | 適した抽出時間 |
---|---|---|---|
OP(オレンジペコ) | 大きなホールリーフ | 繊細で豊かな香り、渋み控えめ | 3分 |
BOP(ブロークンOP) | 細かな茶葉 | コクのあるしっかりした味、適度な渋み | 2~3分 |
CTC | 粒状(顆粒状の茶葉) | 濃厚で力強い味、渋みが出やすい | 1~2分 |
たとえば、高級なダージリン紅茶やセイロン紅茶はOPグレードで販売されていることが多いです。ゆっくり時間をかけて抽出し、その繊細な香りを楽しむのがおすすめですが、朝に素早く濃い紅茶が飲みたいときはCTCの茶葉が便利です。もし紅茶葉をお探しならOP茶葉(PR)などを試してみてはいかがでしょうか。
よくある質問(FAQ)
Q. 水道水で紅茶を淹れてもいいの?
A. はい、水道水でも美味しく紅茶を淹れられます。ただし水道水に含まれる塩素の匂いが気になる場合は、一度沸騰させてから使ったり、浄水器を通した水を使うと良いでしょう。日本の水道水は軟水なので紅茶との相性は基本的に良いです。
Q. OP(オレンジペコ)ってオレンジの香りがするの?
A. いいえ、OP(オレンジペコ)は紅茶の等級名であり、オレンジの香りや味が付いているわけではありません。諸説ありますが「オレンジペコ」の名称は水色が由来で、紅茶の葉の形状や品質を示す用語です。
Q. CTC製法の紅茶でも美味しく淹れられる?
A. もちろんです。CTC製法の紅茶は短時間で濃く抽出できるため、特にミルクティーに最適です。渋みが出やすいので、1~2分程度と通常より短めの抽出時間で様子を見ながら淹れると良いでしょう。
まとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
紅茶の奥深さを楽しんでいただけましたでしょうか
あなたの日常がより優雅で、贅沢なひと時になりますように。
また次回の紅茶教室で、素敵なティータイムをご一緒できれば幸いです!
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